日立、自律性と利便性を両立する新クラウド「Hitachi EverFlexクラウドサービス」を発表
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日立製作所は12月19日、企業システムにおける自律性（ソブリン性）の確保と近代化（モダナイズ）を促進する、新しいクラウドサービス「Hitachi EverFlexクラウドサービス」の提供を順次開始すると発表しました。地政学リスクの高まりなどを背景に、非平常時でもシステムを安定して統制できる能力への関心が高まる中、企業のビジネス継続と変革をIT基盤から支援する狙いです。
ポイント
- 1地政学リスクに対応し、企業がシステムを統制する「自律性」を確保
- 2クラウドの利便性を活かし、システムの「モダナイズ」を促進
- 3業務要件に応じて選べる多様な利用形態と仮想化・コンテナ環境
日立製作所が提供を開始した「Hitachi EverFlexクラウドサービス」は、企業がIT基盤を主体的に管理・運用できる「自律性」と、事業環境の変化に柔軟に対応するための「利便性」を両立させることを目的としています。昨今、地政学リスクの高まりや経済安全保障推進法の運用開始を受け、クラウドサービスを利用する上で、緊急時の統制やシステムのブラックボックス化が課題として認識され始めていました。
この新サービスでは、日立が金融や電力、交通といった社会インフラを長年支えてきた運用経験を活かし、IT基盤の透明性を確保します。具体的には、運用状況の記録・情報提供や監査対応といった説明責任の支援、データの暗号化やランサムウェア対策、ソフトウェアの継続的なリスク評価などを通じて、システムの安定統制をサポートします。
また、クラウドならではの利便性も追求しています。需要に応じた迅速なリソース拡張や、利用状況を可視化するセルフポータルの提供に加え、AIによる運用の効率化・高度化も推進。同社の「モダナイゼーション powered by Lumada」と組み合わせることで、AIネイティブな事業基盤への変革にも貢献するとしています。
サービスの利用形態は、企業指定のデータセンターに専有環境を構築するプライベートクラウドと、日立のデータセンターから迅速にリソースを提供するマルチテナントクラウドから選択可能です。中核となる仮想化・コンテナ環境は、Hyper-V、KVM、OpenShiftの3種類を用意。特にKVM環境では、2026年3月末からNTTデータの仮想化管理ソリューション「Prossione Virtualization」と日立独自の技術を組み合わせ、運用性と信頼性を高めていく計画です。
なお、本サービスは日立のAIソリューション群「HMAX」の展開を支える基盤としても活用される予定です。同社は今後も、国内法規制への対応強化やAI活用のためのサービス拡充を通じ、顧客の持続的な成長に貢献していく方針を示しています。
引用元：PR TIMES
O!Productニュース編集部からのコメント
クラウドの利便性と、自社でIT資産を管理するオンプレミスの安心感を両立させようとする動きですね。経済安全保障という大きな流れが、企業のITインフラ選択に具体的に影響を与え始めた事例と言えそうです。
