
アンチパターン、AWS Marketplace掲載支援SaaS「Deshima」提供開始
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株式会社アンチパターンは、国内の独立系ソフトウェアベンダーがAWS Marketplaceに自社SaaS製品を掲載し、掲載後の仕様変更への追従や運用までを支援するSaaS「Deshima(デシマ)」の提供を開始しました。クラウドマーケットプレイス経由のソフトウェア購買が世界的に拡大するなか、アンチパターンは、AWS Marketplaceへの掲載が国内ISVにとって「いつ載せるか」の段階に来ているとしています。一方で、掲載には英語中心のドキュメントや専門的なインテグレーション実装、頻繁な仕様変更への対応といった壁があります。Deshimaはこれらの課題をSaaSとして解決し、初期費用・月額費用は無料で、AWS Marketplace経由の売上が発生した場合のみ販売手数料がかかります。
ポイント
- 1アンチパターンがAWS Marketplace掲載支援SaaS「Deshima」を9月17日に提供開始
- 2初期費用・月額費用0円で、日本語の掲載ガイドとインテグレーション基盤を提供
- 3AWS Marketplaceの仕様変更への追従をSaaS側で担い、ISVの開発負荷を軽減
背景:マーケットプレイス経由の購買が拡大
クラウドマーケットプレイス経由のソフトウェア購買は世界的に拡大しています。調査会社Omdiaの予測では、ハイパースケーラーのマーケットプレイス売上は2024年の約300億ドルから2030年には1,630億ドルに達するとされています。また、Forrester Consultingの調査によると、AWS Marketplaceを利用する企業の調達プロセスは最大60%高速化すると報告されています。こうした状況を受け、AWSとの共同販売プログラム「AWS ISV Accelerate Program」でもAWS Marketplaceへの掲載が参加要件となっています。生成AIの進化により、AIエージェントが製品を発見・評価・調達する新たな流通も立ち上がっており、同社は、エージェントが調達の主体になれば、マーケットプレイスに掲載されていないソフトウェアは選択肢に入らなくなるとみています。
国内ISVが直面する3つの壁
国内のISVがAWS Marketplaceに掲載し、販路として運用するには、大きく3つの壁があります。1つ目は情報の非対称性です。掲載に必要な要件や設計は多岐にわたり、公式ドキュメントは英語が中心です。日本の事業者にはセラー登録時の本人確認(KYC)が必須であるなど、国内固有の手順もあり、全体像の把握と進捗管理に大きな工数がかかります。2つ目はインテグレーション実装の負荷です。購入検知や契約情報の取得、購入後の顧客登録、ライセンス管理など、AWS Marketplaceと連動する実装には専門知識が必要で、実際には独立したサブシステムの構築になります。3つ目は掲載後も続く仕様変更への追従です。AWS Marketplaceは頻繁にアップデートされ、例えば2026年6月以降、新規SaaS製品では同一アカウントからの複数同時契約がデフォルトで有効になるなど、契約の識別子や通知経路が変わる大規模な仕様変更がありました。自前で実装しているISVは、こうした変更のたびに自社プロダクトのロードマップを止めて対応を迫られます。
Deshimaの提供内容
Deshimaは、上記の3つの壁をSaaSとして解決します。名前は江戸時代に日本と西洋を結ぶ唯一の窓口だった「出島」に由来し、国内ISVとAWS Marketplaceを結ぶ窓口を目指しています。提供内容は、AWS Marketplace掲載に必要なタスクを一覧化し、各ステップの手順書を日本語で提供する「掲載ガイド」と、セラーアカウントを連携するだけで必要なAWSリソースを自動設定し、購入者向けの利用申請フォームや通知メール、購入者情報・契約情報の同期などをコードを書かずに利用できる「インテグレーション基盤」の2つです。回収した情報はAmazon EventBridgeにイベントとして発行されるため、テナント作成やCRM連携など後続処理は利用企業が自由に組めます。また、AWS Marketplaceの仕様変更にはDeshimaが追従するため、利用企業側のコード変更は不要です。セキュリティ面では、連携は最小権限のIAMロールとExternalId付きAssumeRoleで行い、アクセスキーなどの認証情報は預かりません。英語での掲載にも初日から対応しています。
自社での実践から生まれたプロダクト
アンチパターンは、SaaS開発に必要な共通機能を提供する「SaaSus Platform」をAWS Marketplaceに掲載し、AWSとの共同販売まで自社で運用しています。また、AWS SaaSコンピテンシーパートナーとして、プロフェッショナルサービス「AWS Marketplace掲載支援サービス」を通じて複数のSaaS製品の掲載を直接支援してきました。Deshimaの機能は、この過程で同社自身が直面した課題をソフトウェアにしたものです。例えば、リセラー経由で発行されたAWSアカウントで購入された場合、AWS Marketplaceの明細からはエンド顧客が判別できず、売上計上や入金消込が困難になります。こうした運用して初めて見つかる課題への対処を、Deshimaは機能として備えています。代表取締役の小笹佑京氏は、自社SaaSを掲載・運用するなかで仕様変更への追従や運用の課題に何度も向き合ってきた経験をソフトウェアにしたとコメントしています。
料金と今後の展開
Deshimaの初期費用・月額費用は無料で、クレジットカード登録も不要です。対価はAWS Marketplace経由で売上が発生した場合の販売手数料のみで、AWS Marketplace自体の手数料とは別です。掲載ガイドの閲覧はいつでも無料です。利用開始は公式サイトの「無料で始める」からセルフサインアップできます。今後の展開として、2026年冬頃にDeshima自体のAWS Marketplaceへの掲載を予定しており、その後はメータリングによる従量課金モデルへの対応や、売上・入金管理機能などの拡充を予定しています。また、国内ISVのAWS Marketplace活用をさらに広げるため、大手企業との提携に向けた協議を進めています。
Q&A
Q. Deshimaとは何ですか?
A. 国内ISVがAWS Marketplaceに自社SaaS製品を掲載し、掲載後の仕様変更への追従や運用までを支援するSaaSです。掲載ガイドとインテグレーション基盤を日本語で提供します。
Q. Deshimaの料金はどのようになっていますか?
A. 初期費用・月額費用は無料で、AWS Marketplace経由で売上が発生した場合のみ販売手数料がかかります。掲載ガイドの閲覧は無料です。
Q. AWS Marketplaceの仕様変更にはどう対応しますか?
A. Deshimaが仕様変更に追従するため、利用企業側のコード変更は不要です。例えば2026年6月のConcurrent Agreementsにも対応済みです。
関連リンク

O!Productニュース編集部からのコメント
初期費用も月額もゼロで、売れた分だけ手数料というのはISVには試しやすいですね。仕様変更の追従を任せられるので、開発チームが本業に集中できそうです。
引用元:PR TIMES
この記事の著者
O!Productニュース編集部
