
話すだけで技術を継承、製造現場の技能継承を支援する「技能継承くん」の提供を開始
公開日:
東京大学発のAIスタートアップ、Airion株式会社が、製造現場の技能継承を支援する新サービス『技能継承くん』の提供を開始しました。このシステムは、ベテラン技術者が持つ言葉にしにくい経験や勘、いわゆる「暗黙知」を、AIとの対話を通じて引き出し、誰もが活用できるノウハウへと変換します。
長年の課題であった属人化しがちな技術を、組織全体の資産として未来へつなぐことを目指します。
ポイント
- 1AIとの自然な対話で、ベテランのノウハウを自動で記録・構造化
- 2工場や個人で異なる専門用語も、AIが意味を解釈して表現を統一
- 3蓄積された技術はチャットボットでいつでも質問・検索が可能
AIとの対話で「匠の技」を形式知に
Airion株式会社が新たに提供を開始した『技能継承くん』は、製造現場が抱える技能継承の課題解決を目的としたナレッジ活用統合AIシステムです。このサービスの最大の特徴は、熟練技術者の頭の中にある「暗黙知」を、AIとの対話を通じて言語化し、体系的な「形式知」へと変換する点にあります。
開発の背景にある技能継承の悩み
多くの製造現場では、技術の継承が進まない、指導に時間が割けない、マニュアルが形骸化しているといった共通の悩みを抱えています。こうした課題に対し、同社が強みとする自然言語処理技術を活用することで、個人の経験や勘に留まっていた貴重な技術を、組織の資産として継承する仕組みを構築しました。
話すだけでノウハウを簡単登録
『技能継承くん』では、ベテラン技術者がAIとチャットや音声で対話するだけで、その内容がリアルタイムに記録・要約されます。AIは単に記録するだけでなく、理由や背景を深掘りする質問を投げかけることで、より質の高い情報を引き出します。
また、工場ごと、あるいは個人ごとに異なる独自の用語や表現も、AIが意味を解釈して標準化された言葉に統一。これにより、誰が読んでも理解できる「生きたナレッジ」が構築されます。
蓄積した技術はいつでもAIに質問
AIによって構造化されたナレッジはデータベースに蓄積され、若手社員や他の作業者は、必要な時にいつでもチャットボットに質問する形で情報を引き出すことができます。既存の社内マニュアルやナレッジデータベースと統合することも可能で、組織全体の知識レベルの底上げに貢献します。
引用元:PR TIMES

O!Productニュース編集部からのコメント
ベテラン職人の頭の中にある経験や勘は、マニュアル化が最も難しい領域のひとつとされている。AIとの対話を通じて、その暗黙知を自然に引き出しナレッジとして蓄える。これは単なる記録ではなく、AIが質問を重ねて情報を深掘りする点もあり、生きたノウハウの継承につながりそうです。