
AIが営業トークを分析、トップの技を組織の力に
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対話型音声AIを手がける株式会社IVRyと、株式会社電通デジタルが、非対面営業の成果を最大化する「AI-DXソリューション」を共同で開発し、提供を開始しました。このサービスは、AIを活用して電話営業の内容をデータ化・分析し、トップセールスのノウハウの属人化といった課題解決を目指すものです。
コロナ禍以降、対面と非対面を組み合わせた営業活動が主流となる中で、多くの企業が営業スキルの共有やデータ活用に悩みを抱えています。今回の新ソリューションは、こうした現場の課題に直接応えるものとなりそうです。
ポイント
- 1AIが通話を自動で記録・要約し、営業担当者の入力負担を削減
- 2トップセールスの会話を分析し、成功の秘訣を組織全体で共有可能に
- 3データに基づき改善点を即時フィードバックし、営業のPDCAを高速化
AIが「売れる会話」をデータ化
株式会社IVRyと株式会社電通デジタルは8月7日、共同開発した「AI-DXソリューション」の提供を開始したと発表しました。このソリューションは、これまで可視化が難しかった電話での営業トークをデータとして蓄積・分析し、営業組織全体の生産性向上とスキルアップを支援します。
具体的には、IVRyの対話型音声AI「アイブリー」が、営業担当者と顧客との通話をリアルタイムで記録し、内容を自動で要約。これにより、営業担当者が費やしていた日報作成などの入力作業が大幅に削減され、本来の営業活動に集中できる環境を整えます。
トップ営業のノウハウを組織の資産へ
このソリューションの大きな特徴は、トップセールスの「売れる秘訣」を組織全体で再現可能にする点にあります。電通デジタルが、蓄積された通話データから、優秀な営業担当者のトークフローやキーワードといった成功要因をAIで分析・可視化します。
抽出されたノウハウはマニュアルとして明文化されるほか、その内容を学習したトレーニングAIの開発も行われます。これにより、経験の浅い担当者でも質の高い営業スキルを効率的に習得できるようになり、組織全体の営業力の底上げが期待されます。
再現性のあるPDCAで成果を最大化
さらに、AIが会話データをリアルタイムで分析し、次のアクション提案やセールスシナリオの改善点を即時にフィードバックする仕組みも提供されます。これにより、個人の感覚に頼りがちだった営業活動の振り返りがデータに基づいて行えるようになり、再現性のあるPDCAサイクルを高速で回していくことが可能になります。両社は今後も連携を強化し、企業の事業成長に貢献していく方針です。

O!Productニュース編集部からのコメント
営業スキルの属人化は、多くの企業にとって根深い課題です。これまで感覚的に語られがちだった「トップセールスの勘所」を、AIが音声データから客観的に解き明かすというのは非常に興味深いアプローチですね。単なる業務効率化にとどまらず、組織全体の「稼ぐ力」をどう引き上げていけるのか、今後の普及と成果に注目したいです。